マンション、賃貸、アパートなどの家や部屋には北向き、南向き、東向き、西向きと様々な向きの部屋があります。
賃貸やマンションでは一番の人気の方角は南向きの物件と言われています。ですが、南向きの部屋にもメリットとデメリットはありますし、西や東、それぞれの方角の向きの部屋にメリットとデメリットは存在します。
今回の記事では、一番避けられやすい北向きの部屋についてのメリットとデメリット、そして北向きの部屋に住んだときに困ることに対しての対策方法についてもご紹介します。
目次
何故、マンションやアパート、家の物件選びで北向きの家や部屋は避けられてしまうのでしょうか?
理由の一つとして主に挙げられることが日当たりです。
しかし、太陽は東から昇って西に沈むのに、何故南向きは日当たりが良くて北は日当たりが悪いのか?という疑問があります。
その理由は、日本が北半球に位置しているためです。太陽は東から西へ、南よりに移動しているため、北側は日が当たりにくいという傾向にあります。
その為、どうしても北向きに位置する部屋のなかや家全体が暗いイメージがついてしまいます。
ちなみにオーストラリアやニュージーランドなど、南半球に位置する国では日本と季節は逆で、北向きの家が好まれる傾向があります。
日当たりが悪くて一番困ることは洗濯ものが乾かないことです。
日当たりが悪い環境で長時間洗濯ものを干していると、ちゃんと乾燥できずに生乾きの状態となってしまい、菌の繁殖や匂いが発生してしまうことがあります。
最近は賃貸やマンションで浴室乾燥がついている物件もありますが、全ての物件についているわけではありません。そして浴室乾燥を毎回使うと、電気代がとても高くなってしまいます。
洗濯ものを部屋干しすることも可能ですが、どうしても衣類からの匂いが気になるという点があります。
そして、日当たりが良くないと布団を干しても意味がないように感じます。以上の理由から北向きの部屋は衛生的に良くないというイメージがあり、避ける人は多いのです。
北向きの部屋は夏場は涼しいイメージですが、日当たりが良くない為に冬場は寒いというイメージもあります。実際に、不動産で一番人気の方角は日当たりの良い南向きの部屋と言われています。
実際にリクルート住まい研究所の住宅購入検討者調査によると、住宅選びの重視条件の中に、「日当たり」が記載されていることから、日当たりの良い部屋に住みたいと考える人が多いことが分かります。
また、寒いからといって暖房の設定温度を上げると、その分の電気代もかかります。
北向きの部屋は日当たりが良くないため、湿気がたまりやすいというデメリットもあります。特に一人暮らしの部屋は北側にしか窓がない為、冬場は窓に結露ができやすくなり、寒さの原因にもつながります。
湿気が高く、そのうえ風通しの悪い環境ではカビが繁殖してしまいます。
前の項目では北向きの部屋のデメリットをあげましたが、北向きの部屋にもいくつかのメリットは存在します。
まず、メリットとしてあげられるのは、他の方角の部屋に比べて家賃を安めに設定されていることがよくあります。北向きの部屋は入居を避ける人が多い為です。
マンションや家の構造上北向きの部屋が出来てしまうことはありますし、マンションやアパートなどの場合、管理会社としては値下げしてでも空部屋を埋めたいからです。
物件によっては、他の方角の部屋より数千円安く設定されている場合もあります。
年間で計算すると、他の部屋との家賃の差額は何万円と変わってきます。
家の購入費用や、毎月の家賃を少しでも抑えたい方に北向きのお部屋はおすすめです。
デメリットでは「日当たりが良くない為、冬場は他の方角の部屋に比べて寒くなりやすい傾向」を挙げましたが、夏場は直射日光が当たらないので、他の方角の部屋よりも涼しいというメリットがあります。
その為、北向きの部屋は他の方角の部屋に比べると夏場はクーラーなどの電気代が高くなりにくいという傾向にあります。
温暖化などの影響で、今年の夏は40度を超える猛暑日が続いています。これからもこの暑さが毎年続くことを考えると、これからは北向きの部屋を希望する人が増えるかもしれません。
そして、最後に挙げられるメリットとして、北向きの部屋は部屋の中の家具が傷みにくいという傾向にあります。
その理由は、直射日光が部屋の中に入らないからです。
他の方角の部屋は、直射日光が部屋の中に入りこむことにより、フローリングや家具、家の中の小物などが日光の刺激によって少しずつ傷んでいきます。
家具にこだわりをもつインテリア好きな方の中にはあえて北向きの部屋を好んで選ぶ方もいらっしゃいます。
家財が傷まなくなることにより長持ちして、買い替えの時期が長くなるので経済的にもメリットがあります。
北向きの部屋は直射日光が入らない代わりに、晴れの日は空がとても青く綺麗に見えます。
南向きの物件は日当たりは良いですが、あまり青い空は見えません。
さえぎるものがない高層マンションなどでは、眺めの良い北向きの物件は人気がでていることもあります。
前の項目で北向きの部屋は他の方角の部屋に比べて家賃が安くなる傾向があることをあげましたが、物件によっては、北向きの部屋は他の方角に比べて間取りを広くとっている賃貸もあります。
同じ家賃で部屋の間取りが広くなっていたらお得ですね。
一軒家でも、北向きの物件は庭が建物の裏に配置されやすいのでプライバシーを守りやすいというメリットもあります。
他の方角に比べて、しっかりした日光は入らないものの、一日安定した日差しを浴びることができるのは北向きの部屋ならではです。
花や植物を育てる環境にも適しています。
デメリットで挙げられたように、北向きの部屋は他の方角の部屋に比べて部屋の中が暗くなりやすいという傾向がります。
持ち家の場合はリフォームで窓を大きくする、庭に白い砂や砂利をしいて反射で部屋を明るくするなどの工夫ができます。
太陽光彩光システムを設置して、太陽光を集めて、部屋の中を明るくするということも可能です。
リフォームが出来ない賃貸の場合は、照明の明るさを変える、白系など明るい色の家具を揃えるだけでも家の中は明るくなります。
カーテンはシェードに変えるか、もしくは明るい色のカーテンを選び、マットも色を変えるだけで部屋の雰囲気は変わります。
夏場は涼しいというメリットが挙げられましたが、他の方角の部屋に比べて気温が低くなりやすいというデメリットがあります。
クーラーの温度を上げるなどもできますが、それでは電気代が高くなっていまいますね。
簡単に出来る部屋の防寒対策は、一番冷気が入る窓に、冷気遮断シートか、もしくはプチプチのシートを貼り、窓の隙間にも冷気が入らないようにサッシなどを埋め込み、冷気を遮断すること。
カーテンは厚手の防寒カーテンに変えることでさらに冷気を防ぐことができます。
そして、床のマットに下にはアルミを敷いておくことで、床からの冷気も防ぐことができます。
これらの防寒グッズはホームセンターやネットなどで購入できますが、100円ショップの商品でも工夫して使えます。
北向きの部屋で日当たりが悪い上に、他のマンションと向かい合わせとなると洗濯ものはほとんど乾きません。
その対策としては、部屋干しで下に除湿器かサーキュレーターを置いて乾かすと早く洗濯ものを乾かすことができます。部屋干しに抵抗のある人もいますが、天候に左右されることなく一日の好きな時間に洗濯ができるというメリットがあります。
天気予報を気にしたり、突然の雨に焦って洗濯ものを取り込む心配もありません。
布団については、日光に当てて干さないと意味がないと思っている人が多いですが、布団の素材によっては直射日光で傷んでしまう場合もあります。事前にお手入れ方法について確認しておきましょう。
日光が入らない北向きの部屋の場合、窓を開けて布団を広げておくだけでも、一定の除湿の効果はあります。
もしくは室内でふとんを掛けて、クーラーを除湿設定にしたり、扇風機をあてることで布団のなかの湿気を逃すことができます。
他にも布団乾燥機を使うなど、布団のお手入れ方法は様々です。
もともと向いマンションが建っていた場合は別ですが、自分が住んでいるマンションの向かいに新しいマンションが建設されて、日当たりがさらに悪くなったというトラブルもいくつか起きています。
しかし、日本ではどの物件にも日照権(午前8時から午後4時までの間のなかで、最低でも2時間は日照を得られる権利)があります。
その権利が侵害されたと判断した場合には、弁護士の方に相談してみましょう。賃貸の場合は、管理会社に一度相談してみましょう。
北向きの部屋は湿気が高く、カビが生えやすいというデメリットがあげられましたが、こまめに換気をすることでカビを防ぐことは可能です。
部屋の中でも除湿器などを使って、湿気対策を心がけましょう。
除湿器は大部屋に対応しているものは2、3万ほどしますが、一人暮らし用の部屋におけるサイズのものは2、3000円ほどで購入できます。
物件によりますが、マンションを購入する場合、同じ条件で南向きの部屋と比べて東向きの部屋は3~7%、西向きの部屋は5~9%、北向きの部屋は10~20%安くなると言われています。
マンションや家をお得に購入したい人は是非探してみましょう。
家賃や購入費用が安い北向きの物件を探し、寒くなりやすい冬場は防寒グッズで電気代を節約することでお得に快適に暮らせる物件が見つかるかもしれません。
部屋の中の家具が日焼けしない為、長持ちするというところも経済的なメリットですね。
北向きの部屋には日当たりが良くないため、洗濯物が乾きにくい、寒いなどのデメリットが挙げられましたが、工夫次第で解決が可能です。
メリットは夏は涼しく快適に過ごせること、家賃や家の購入費が安い傾向にあること、家の家財が傷みにくいこと。
最初にも伝えたように、どの方角の家にもメリットとデメリットは存在します。是非、家や部屋選びの参考にしてみてください。
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